せっかくアメリカに住んでいるので現地の証券会社で投資をしてみたい。
近くのfidelityを使ってみたいけど、どんな使い心地か知りたい。
という方へ向けてこの記事を書きました。
私はアメリカ在住です。アメリカの証券会社Fidelity(フィデリティ)でresident alienとして口座開設し、主にETFの長期投資をしています。その経験から、Fidelityを使って米国株式市場に投資する方法をお伝えします。
fidelityの使い方
0.前提:口座開設の要件
- アメリカ居住者である(またはアメリカ国籍)
- SSNをもっている
fidelityで口座開設をするには以上の二点が必要になります。
アメリカ以外に住んでいる人は別の証券会社を使ってください。
fidelityのサイトによれば、TINでは不十分で、SSN(社会保障番号。ソーシャルセキュリティーナンバー)が必要だそうです。
※なお、この説明は日本法人フィデリティ・インベストメントには当てはまりません。
1.口座開設
fidelityのサイトには「オンラインで口座開設できます」と書いていますが、外国人は違います。
fidelityの店舗に行く
アメリカ市民以外は店舗に行く必要があります。グリーンカード保持者も同じです。
私は特に予約もせずいきなり行きましたが、問題なく開設できました。
10分ほど待ちましたが、コーヒーマシンや雑誌の備え付けられたロビーで快適に時間を潰せました。
できれば事前にアポイントを取るのがベストだと思います。
必要書類
- パスポート
- SSN
この二つでOKでした。このほかに緊急連絡先や職業等を記入します。
行く予定の店舗に前もって問い合わせると確実です。
開設する口座の種類
- Saving for retirement(退職準備口座)
- Investment and trading(投資口座)
- Saving for education(教育用貯蓄口座)
大まかに上記のように分かれています。
普通に投資したい人は、投資口座のBrokerage Accountを作ればよいです。
401K等を使いたい場合は、退職準備口座のRoth IRAかTraditional IRAになります。(リンク先はfidelityの説明ページです)
2.入金
開設した口座に入金します。
私の場合は、銀行からdirect depositで入金したと思います。口座開設時に店舗で入金することもできるようでした。
3.オンライン取引
入金後、取引可能になります。
取引はオンラインで全て完結します。こちらがiPadアプリを用いた実際の取引画面です(ポートフォリオを表示中)
ウェブサイト版、アプリ版があります。
詳細な情報にアクセスするにはウェブサイト版が使い勝手が良いです。
決まった銘柄の購入などルーティン的な行動やポートフォリオの確認にはアプリ版で十分です。
自動定期購入
Fidelityでは定期的な自動購入を設定できます。信託報酬ゼロのmutual fundも数多いので、ほったらかし長期積立のために使い勝手が良いです。
なお、米国株式市場の伸び率は平均して年率7~8%です。
これを利用しつつ安定的に資産を増やすために、なるべく早めに長期積立を始めるべきです(資金の7~9割)。
※ 長期投資のポートフォリオは、高橋ダンさんの「世界のお金持ちが実践するお金の増やし方」の戦略を参考にしています。
- 特定の銀行口座から定期的に振込
- mutual funds(投資信託)を定期的に購入
を自動設定できます。他方、ETFの自動定期購入はできません。
※ETF・mutual fundsの違いなど米国株投資の基本は、太田創さんの「毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資」をさっくり読めば十分です。
購入スケジュール設定はかなり柔軟です。
購入する月の日、購入する頻度(毎月、4ヶ月に一度、カスタム)、終了日を設定できます。
カスタム頻度を選ぶと、
このように購入月を自由に設定できます。
これを利用して、配当月に買い増すといった設定もできます。
fidelityを選んだ理由
- 身の回りに利用者が一番多かった
- 手数料がほぼゼロで運用できる
この2点で簡単に決めました。
fidelityは店舗数が多く、よく見かけます。周りに使っている人が一番多い印象で、安心感もありました。
日本への帰国後はどうする?
Fidelityはアメリカ国外居住者には厳しいようで、新規取引はできなくなるという噂があります。
ですのでもっと寛容なCharles Schwabなどの証券会社に乗り換えるつもりです。
アメリカ証券会社を使う人がやるべきこと
TransferWiseのアカウント開設ー無駄な送金手数料を払わないために
投資資金を国際送金するなら、TransferWiseのアカウントを作っておきましょう。
銀行の高すぎる海外送金手数料を8分の1程度に下げることができます。
≫TransferWiseのアカウント開設はこちらから。←から入ると初回送金手数料が無料になります。
≫TransferWiseの使い方はこちら:「【たぶん最安】海外送金の手数料を下げる「トランスファーワイズ」の使い方を解説します」
税金書類の提出ー無駄な税金を払わないために
税金関係書類を出さなくても取引できます。
しかし、提出しなければ利息・配当・キャピタルゲインから一律30%の税金が引かれます(源泉徴収)。
日本はアメリカと租税条約を締結しているため、税金書類を提出すれば、
① 税率が下がる
② 支払予定額をしばらく保有できる=再投資できる
というメリットがあります。
口座開設後、税法上の非居住者に該当する方はW-8BEN、税法上の居住者はW-9等を、忘れずにFidelityに提出しておきましょう。
オンラインで済みます。(なぜか窓口では書類を郵送するように言われましたが)
fidelityのウェブサイトに書類がありますので、ダウンロード・記入して送信するだけです。
まとめ
以上、fidelityを使ってアメリカ株を取引する方法を解説しました。
日本の経済はこの20年間低調です。
インフレ率を見ても、アメリカでは約2%で推移しているのに対し、日本はゼロです。
株式市場のパフォーマンスを見ても、一年間でS&P:+9.51%、TOPIX:+4.54%と差があります。
投資先を日本に限る理由はありません。機会があるなら、アメリカの証券会社を利用してはどうですか、という提案でした。
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