一時帰国でクレジットカードを使ったら、3%も外貨手数料(Foreign transaction fee)を取られてしまった。アメリカ国外で気兼ねなく使える外貨手数料無料のクレジットカードがあればよかったなぁ。
外貨手数料(Foreign Transaction Fee)とは、ドル以外の通貨で支払いをする際に、クレジット会社および発行会社がチャージする手数料です。外国旅行に備えてNo Foreign Transaction Feesのカードを用意しておけば、カードによっては5%以上の節約になることもあります。
今回はアメリカ在住邦人の方に向けて、No Foreign Transaction Feeのクレジットカードを比較し、国外で最もお得に使えるカードを解説していきます。
※この記事はアメリカ発行のクレジットカードについてお伝えするものです。
外貨取扱手数料(Foreign transaction(FX) fee)の相場
カードによってFX feeは異なり、0%〜5%以上まで差があります。多くのカードは2%〜3%に収まります。
FX feeは次の二つがあります。
② 発行会社がチャージする手数料
①+②の合計額となります。例外的に、DiscoverやAmerican Express(一部)ではクレジット会社と発行会社が同じであるため、②はチャージされません。
① クレジット会社がチャージする手数料
各クレジット会社がチャージする手数料は次のとおりです。
MasterCard 1%
American Express 0% or 2.7%
Discover 0%
② 発行会社がチャージする手数料
発行会社がチャージする手数料は、カードごとに異なります。
多くのカードでは①+②合わせて1−3%が外貨手数料としてチャージされます。
ちなみに、カード以外の決済手段ではPaypalやWiseが有名ですが、その手数料は
Paypal 2%程度(非公表:Dynamic Currency Exchangeとして)
Wise 固定手数料132円+総金額の0.64%
となっています。
≫ Wiseとは、手数料の価格破壊を起こしつつある、格安の国際送金サービスです。「ワイズ(旧トランスファーワイズ)の手数料は本当に安い?メガバンク・PayPalと比較」で解説しています。
では続いて、FX Feeが0%のクレジットカードを見ていきましょう。
外貨手数料が無料のカードを比較
No foreign Transaction Feeのカードをまとめました。(2021年3月現在の情報です)
銀行系のクレジットカード
カード名 | 年会費 | 備考 |
---|---|---|
Chase Sapphire Preferred | $95 | ポイント還元 1~2ポイント/$ |
Wells Fargo Propel American Express | 無料 | ポイント還元 1~3ポイント/$ |
Bank of America Travel Rewards | 無料 | ポイント還元 1.5ポイント/$ |
銀行系カードでは、還元率は総じて平均的な印象があります。Wells Fargoの最大3%が頭一つ抜けています。
年会費無料かつ全てのカテゴリで還元率1.5%のBank of Americaも良さそうです。
注意点は、ポイントの使用が、事実上旅行に限定されることです。旅行以外の費目に使うこともできますが交換率がよくありません。
航空会社系のクレジットカード
カード名 | 年会費 | 備考 |
---|---|---|
Citi AAdvantage Platinum Select(アメリカン航空) | $99(2年目から) | マイル還元 1~2マイル/$ アメリカン航空で受託手荷物1つ無料 |
United MileagePlus Explorer Card | $95(2年目から) | マイル還元 1〜2マイル/$ ユナイテッド航空で受託手荷物一つ無料、ラウンジ年間2回使用権 |
Alaska Airlines Visa Signature | $75 | マイル還元 1〜3マイル/$ アラスカ航空で受託手荷物一つ無料 |
エアライン系のカードでは、受託手荷物・ラウンジ関連のサービス付帯や航空券購入でマイル還元率が最大になるなど、特定の航空会社を頻繁に利用するほど付加価値がアップします。
年会費は総じて高めですが、利用する航空会社が決まっている人なら利用価値はありそうです。
ホテル系のクレジットカード
カード名 | 年会費 | 備考 |
---|---|---|
Hilton Honors Card | 無料 | ポイント還元 3~7ポイント/$(ヒルトン系列利用で最大) ※実質価値(マイルへの交換レート)は1%〜2.5%程度 |
Marriott Bonvoy Bold | 無料 | ポイント還元 1~3ポイント/$ ※実質価値は0.3%〜1%程度 |
ホテル系カードでは、ポイント使用時に交換レートが3ポイント=1ドルと3分の1になる点に注意してください。
Hilton Honorsは、ヒルトン系列のホテル宿泊で還元率が最大となります。ヒルトン系列での様々なベネフィットもあり、ヒルトンを最大限に活用できる方にはおすすめです。
クレジットカード事業会社系のクレジットカード
カード名 | 年会費 | 備考 |
---|---|---|
The Platinum Card from American Express | $550 | ポイント還元 1〜5ポイント/$ ※実質価値は0.3%〜1.7% Uber Credit毎月$15付与 |
Capital One VentureOne Rewards | 無料 | マイル還元 1.25マイル/$ |
Discover it Cash Back | 無料 | 現金還元1%〜5%(初年度はさらに2倍) |
Amex、Capital One、Discoverの3社です。
アメックスの上位カードであるThe Platinumは、UberやSaksのクレジットなど様々なサービスが付帯します。一方で還元率は意外と控えめ。American Express Travel社を通じた航空券の予約で5ポイント、ホテル3ポイントがつくほかは、その他全ての使用は1ポイントにとどまります。
Capital One VentureOneは1ドルあたり1.25マイルをマイルで還元します。旅行代金の支払いに1マイル=1セントの交換率で充てることができるほか、現金還元もできます。ただし変換率は1マイル=0.5セントと価値は下がってしまいます。
Discover it Cash Backは、FX fee無料カードには珍しい現金還元です。全ての買い物に1%がつくほか、特定のカテゴリで5%の還元率にアップします。カテゴリは四半期ごとにローテートします。
4 − 6月 ガソリン、Netflixなどのストリーミングサービス、Wholesale
7 − 9月 レストラン、PayPal
10−12月 Amazon、Walmart、Target(2021年の場合)
12月にAmazonが5%なので、ホリデーシーズンの買物をここで済ませるとお得です。
なお初年度だけは稼いだキャッシュバックが年度末に2倍になるので、実質還元率は2〜10%です。
結論:海外での決済に最もおすすめのクレカはDiscover it Cash Back
まとめると次のとおりです。
- Bank of Americaのユーザーであれば、管理面のメリットからBank of America Travel Rewardsが候補になると思います。ポイント利用がトラベルに限られる点に問題がなければ、良いチョイスかもしれません。
- ユナイテッド・アメリカン・アラスカ航空をよく使う方は、航空会社系カードを検討してみてください。年会費分の元が取れるかが一つの目安となるでしょう。
- ヒルトンの愛用者には、Hilton Honorsが良いかもしれません。それ以外の方には、ポイント交換レートが悪いためホテル系はおすすめしません。
- それ以外全ての方におすすめできるのは、Discover it Cash Backです。年会費無料、使途が制限されない現金還元、還元率最大10%は非常に良いディールと言えます。JCB・DinersClub・銀聯と提携しているため、日本での利用も困りません。
Discoverを利用する方はこちらのリンクからどうぞ。開設後3ヶ月以内に一度でもカードを使うと、$50のキャッシュバックがもらえます。
コメント
こんにちは。シリコンバレーに住んでいる者です。
ご存知だとは思いますが、Capital OneのQuick Silverは無制限の1.5%キャッシュバックなので、一時帰国時に何を買ってもいいので重宝してます。欠点は審査が厳しくて利用枠が小さいこと(私は$3500から増やしてもらえてません)と、時折海外での利用が拒否されること(不正利用を常に監視しているみたいです)。
バックアップにAmazon Prime Cardを携帯して行きます。