Stepnからブロックチェーンの世界に興味を持った著者が、web3とは何か?について学習した成果をまとめたページです。
同じような初心者の方の参考になればと思います。
Web3って何?
「非中央集権のインターネット」
「ブロックチェーンを使った分散型ウェブの世界」
「分散型インターネット」
「an idea for a new iteration of the World Wide Web based on blockchain technology, which incorporates concepts such as decentralization and token-based economics」
いろいろな定義があります。
共通するのは、
- ブロックチェーン上のもの
- 非中央集権/分散型
という要素。それぞれ大事な意味が含まれているので、詳しく見てみましょう。
web3の特徴① ブロックチェーン上の
web3は全てブロックチェーンを用いています。
ブロックチェーンはweb3や仮想通貨の核となる画期的な情報技術。「分散台帳」とも訳されます。
その機能を一言で言えば、「何かを記録した、改ざんが非常に難しい記録簿」。
技術的な詳細は省略しますが、多数の参加者が共有することで、データの書き換えが非常に難しくされています。
「国家や中央銀行と行った管理者を置かずに、取引履歴をネットワークの参加者で監視し保証するため、改ざんが難しく、低コストで安全な送金や決済ができる」
(木ノ内敏久著「仮想通貨とブロックチェーン」、32ページ)
と理解しておけばよいでしょう。
ブロックチェーンと仮想通貨
ブロックチェーンとは「何かの記録簿」だと言いました。
チェーン上に通貨の取引履歴を記録し、通貨として価値を持たせたものが仮想通貨(暗号通貨)です。その代表がビットコイン。
ビットコイン、そしてブロックチェーンを発明したのは、「ナカモト・サトシ」と自称する匿名の人物です。今に至るまで正体は分かっていません。
個人的に気に入っているのは、winnyを発明し、疑獄にさらされた不遇の天才、金子勇氏という説です。
ビットコインを発表した論文はこちらで日本語で読めます。
ブロックチェーンとDApps
ブロックチェーンの利用方法は暗号通貨だけではありません。
チェーン上にプログラムを記録することもできます。イーサリアムの発明者ヴィタリックさんは、プログラムを自動的に実行するよう改良を加え、イーサリアム上でプログラム開発ができるようにしました。
このようなブロックチェーン上の自動プログラムを「DApps(分散型アプリ)」と呼びます。
GmailやFacebookといったweb2.0上のサービスをイメージしてください。
FacebookやGoogleの社員がコードを書き、自社のサーバーに置いて運営しています。このコードをブロックチェーン上に記録して自動実行させると、web3のサービスとなります。運営にかかわる作業は全てコード化され、自動実行されるので、社員は不要になります。会社を支えるための収入も不要となります。
では次に、web3の特徴である非中央集権について見ていきましょう。
web3の特徴② 非中央集権/分散型の
web2.0の世界では、GoogleやAmazonといった大企業がサービスを提供して、巨大なユーザー層から料金を徴収し、ユーザーのデータ(ビッグデータ)を入手していました。
富やデータがサービスプロバイダー(大企業)に集中するこのような性質は「中央集権型」と言われます。
web3は中央集権型ではありません。情報・金・権力がユーザー間に分散します。
具体的にはどういうことでしょうか。
情報の分散
web3では、web2.0と同じような様々なウェブサービスが存在します。
しかしユーザーは、サービス提供者に自分のデータを渡す必要はありません。
web2.0の例として、Gmailというメールサービスを考えてみましょう。
ユーザーは、Gメールを使い始める前に利用登録を行い、氏名、連絡先などの情報をGoogleに伝えなければなりません。同じアカウントでGoogle社が提供する他のサービスにログインすると、(マップ→位置情報、検索→興味関心、PlayStore→クレジットカード情報)といった様々な情報が吸い取られます。これを組み合わせることによって、Googleは「あなたがどんな人か」をほぼ正確に把握しています。
web3ではどうでしょう。
Gmailのように、web3にもメールサービス「Dmail」があります。
利用登録は不要。ユーザーは好きな電子メールアドレスを購入し、通常のメール同様に使えます。
GmailはGoogleが運営しており、Gmailで送受信したメールの中身は全てGoogleが管理するサーバー(情報保管用のコンピュータ)に保存されています。
Dmailは、Difinityというブロックチェーン上で動いています。メールの中身はブロックチェーン上で保存され、単独の管理者は存在しません。もちろん情報は暗号化されたうえで保存されているので、他人がメールを読めることはありません。
ウェブの利便性を享受しながら、情報は渡さない。
これが、非中央集権/分散型のウェブサービスです。
資金の分散
Web2.0では、サービス提供する企業に富が集中します。ジェフ・ベゾスは、Amazon経営によって資産20兆円で世界第一位の富豪となりました。
web3では、Ethereum(イーサリアム)の開発者であるヴィタリックの資産は、1000億円位と言われています。
ウェブの利用者に利益を還元し、富を集中させない。
これが、非中央集権/分散型の二つ目の意味です。
サービスの分散(永続性)
再びGmailを例に出します。
Gmailのプログラムやユーザーのメール情報は、グーグルが管理するサーバー上に保存されています。もしサーバーが動かなくなったら、サービスは全て使えず、自分のメールは見れなくなります。
一方Web3では、サービスのプログラムやデータを保存する中央のサーバーはありません。サービスの参加者がそれぞれコピーを持っています。
もしデータを保存している一つのコンピュータがダウンしても、残りのコンピュータがデータをリストアできます。
これにより、サービスが攻撃に強く、不慮の事故にも強く、強靱になっているのです。
web3の特徴
他にも次のような特徴があります。
利用手数料が非常に安い
人件費がかからないため、サービスが安価です。
ユーザーの国や地域を問わず利用できる
管理者がいないため、営業許可といった国の制度に縛られず利用できます。
また、国という枠組みで捉えられないため、規制が難しいのも特徴です。
web3のサービス例
web3で運営しているサービスにはどのようなものがあるでしょうか。
DeFi(ディファイ)
金融を提供するweb3サービスを総称して、DeFi(Decentralized Finance=分散型金融)といいます。
仮想通貨の取引所である「DEX」(Decetralized Exchange=分散型取引所)、仮想通貨を預け入れて利息を受け取れる「流動性マイニング」などのサービスなどがあります。
DEXは、株式を取引する東京証券取引所やNASDAQに相当します。
利用登録のステップはほぼ存在しません。ユーザーは、氏名・電子メール・資産状況といった情報を渡さずにサービスを使えます。
さらに、DeFiには管理者がいません。サービス運営の方法は全てプログラムにより自動化されているため、管理者は不要なのです。
管理者がいないサービスにお金を預けて大丈夫か、と思うかもしれませんが、しっかり設立されたDeFiはある意味銀行よりも信用できます。銀行は、経営者と従業員という人々が運営しています。そのうち誰かが盗んだり横領するリスクは常にあります。
他方、DeFiは人が介在しないため、このような人的リスクがありません。
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