もうすぐ始まるらしいワクチンパスポートって何?世界の国は使ってるの?どんな風に役立つんだろう。
日本でもワクチンパスポートが七月下旬から始まるそうです。
私の住んでいるアメリカ・カリフォルニア州でも、ワクチンパスポート”Digital Vaccine Records“が先週リリースされたばかり。QRコードをお店に見せれば接種完了の証明となります。
一方で、多くのRed States(共和党の州)がワクチンパスポートを禁止しており、連邦政府も差別への懸念から連邦レベルでの導入はしないと明言しています。
この記事では、賛否両論ある「ワクチンパスポート」の、アメリカと世界の国での現状をお伝えします。
2021年5月、ニューヨーク州がワクチンパスポートを導入
アメリカでいち早くワクチン証明書を導入したのはニューヨーク州でした。
NYでは、2020年3月からレストランやバーでの屋内飲食禁止や人数制限がかけられていましたが、5月19日に完全に解除されました。
それと同時に、ワクチンパスポートがあればマスク着用の義務がなくなり、ほぼ完全に普通通りの生活ができるようになりました。
ワクチンパスポートを導入している州
NY、CAがワクチンパスポートを導入しているほか、ハワイ州では”SafeTravels Card”、ルイジアナ州では”LA Wallet”というアプリをワクチン接種の証明に用いています。
州により多少の差異はありますが、ワクチン接種を照明することで行動制限が解除され、日常生活を取り戻せるという点で概ね一致しています。
NY州のワクチンパスポートの使い方
NYのワクチンパスポートは、「Excelsior Pass」というアプリです。ワクチン接種やコロナの検査結果がQRコードで表示されます。
国境を越えるための本来的な意味での「パスポート」ではありません。マスク着用やソーシャルディスタンシングが必要なくなる、完全に以前のような形でレストランに入れるという効果があります。
1.ワクチン接種が完了してから二週間以上経ったことを証明する
ユーザーはアプリをインストールして、接種日時、場所と接種したワクチンの種類を入力します。
すると、抗体が有効になるとされるワクチン接種完了の二週間後から、QRコードが表示されるようになります。このQRコードは1年間有効です。
お店はQRコードを読み取ると、名前、接種日時などの情報がわかります。スキャナーもアプリなので、お店にとって導入費用もかかりません。
2.検査結果が陰性であることを証明する
ワクチンが完了していない人もワクチンパスポートは意味があります。
コロナ検査を受けて、結果が陰性であったことを証明できるのです。ただし、PCR検査の場合は有効期間が3日、抗原検査の場合は6時間しかありません。
ワクチンパスポートを禁止した州
一方、ワクチンパスポートを導入しないどころか、禁止した州もたくさんあります。
ワクチンの接種を強制してはいけない
と考える共和党知事の州です。
ワクチンパスポートを禁止する法案や知事命令を出して、コロナウイルスのリスクよりも、個人が自由に自分の行動を選択できる権利を優先する判断をしたということです。
- テキサス州 政府機関が陰性証明書の提示を求めることを禁止(2021年4月)
- アラバマ州 ワクチンパスポートの使用を禁止する法律が成立、施行(2021年5月)
- フロリダ州 ワクチンパスポート禁止法案成立(2021年5月)
- アラスカ州 ワクチンパスポートを禁止(行政命令)
- アリゾナ州 知事がワクチンパスポートを禁止(行政命令)。しかし、州議会は禁止法案を否決。
- アーカンソー州 政府機関がワクチン証明を求めることを禁止
- ジョージア州 ワクチンパスポートを禁止(行政命令)
- アイダホ州 政府機関によるワクチンパスポートの要求・発行を禁止(行政命令)
- インディアナ州 ワクチンパスポート禁止法が成立(2021年4月)
- アイオワ州 身分証明書にワクチン接種状況の記載を禁止・ワクチン接種証明を求める企業への助成金をカットする法律が成立(2021年5月)
- ノースダコタ州 ワクチンパスポートの一部禁止法律が成立
- サウスダコタ州 ワクチンパスポートを禁止(行政命令)
- オクラホマ州 政府機関が公共の建物への立ち入りにワクチン接種を要求することを禁止(行政命令)
- サウスカロライナ州 政府や学校によるマスク義務づけを禁止(行政命令)
- バーモント州 ワクチンパスポート禁止法が成立
(出典)
連邦政府も「アメリカ人のプライバシーや権利が守られるべき」で、「人々を不公平に扱うことはない」とワクチンパスポートには否定的で、導入しないことを明言しています。
世界のワクチンパスポート
EUでは、QRコードの「デジタル・グリーン証明書」を7月1日から開始しました。EU圏内の移動を自由にするもので、文字通り「パスポート」です。
ワクチンを接種した人、陰性証明のある人、コロナに罹患して最近回復したばかりの人は、EU28ヶ国の移動が自由になります。
ちなみに、EUから離脱したイギリスはワクチンパスポートを導入していませんが、「COVIDステータス証明」なるものを試験的に始めているそうです。
デンマークでは「Coronapas」を発行し、国内での行動制限の解除、海外旅行の制限緩和に用いています。デンマークにはNemIDという電子IDが普及していますが、その一環として導入されるようです。
中国では3月から「国際旅行健康電子証明」を発行しています。
イスラエルでは「Green Pass」というアプリのQRコードで、ワクチン接種終了かコロナから最近回復した人は、国内の入店制限が解除されます。さらにギリシャ・キプロスへの旅行が自由になります。
ワクチンパスポートの効果は?
NY州の現在のコロナ感染状況
現在のワクチン接種率は54%(2回完了)、コロナ感染者数も一日あたり275人(6月30日現在)と、順調に低下しています。
今では観光客も無料でワクチンを接種できるようになり、「Vaccination Tourism」といわれる旅行者が入ってくるようにもなりました。
感染を抑えつつ経済を再開させるうえでは一定の効果があるようです。
まとめ
見てきたように、多くの先進国では既にワクチンパスポートが導入されています。
ワクチン接種を証明すれば、レストランや事務への入店やマスク着用といった行動制限や、海外旅行の制限が解除され、自由が戻ってきつつあります。日本でも早く日常が戻ることを願っています。
コメント
接種しても感染するし、人にもうつす。
ワクチンで体調を崩した人への補償もしない。
メディアでは、メリットの報道ばかり。
2回打っても効果は薄く、3回目、4回目…。摂取率80%超えている国でも集団免疫はできていない。
必要なのは、ワクチン接種証明でなく、陰性証明、または抗体証明であると思います。