英文の文章構成がイマイチよく分からない。
TOEFLスコアを上げたい。特にライティングが伸び悩んでいるけど、どうやって勉強したらいいかな・・・
こういった方には、この記事で紹介する書籍「英語は「名詞」と「動詞」が9割! 速効! 英文ライティング」が役に立つかもしれません。
日本語と英語では文章の発想が違います。例えば、魚が釣れたとき日本語では「釣れた!」と言います。これをそのまま英語にする(”Got!”)と、間違いです。正解は、”I’ve got a fish!”「私は魚を釣った!」となります。このような英語と日本語の間の暗黙の隔たりを知りたい方はこの記事を読むとよいでしょう。
私はTOEFLではライティングが一番苦手でした。
一度目の受験では18点。二度目の受験では、とにかく量をたくさん書くことに力を注いだ結果、また18点。
そこで方針を変えることにして勉強したのが「英語は「名詞」と「動詞」が9割! 速効! 英文ライティング」と、「アメリカ人なら小学校で学ぶ英文ライティング入門」でした。
三度目の受験ではライティングセクションで27点をとれました。それ以来、この本はTOEFL会場に持ち込んで直前まで見返す一冊となっています。
この記事では、「英語は「名詞」と「動詞」が9割! 速効! 英文ライティング」から学んだエッセンスを紹介します。
ライティングに役立つ英文構成の知識①:英語では第三者の視点から述べる
英語を使う人は、日本語とは異なるやり方で世界を認識しています。
日本語は「自分」視点
日本語では世界を主観的に記述します。
「私の認識した世界」を「私の認識した世界」としてそのまま言葉にします。
- 私が発する言葉=私の認識世界を表す言葉
例えば、友人と魚釣りに行ったとして、魚を釣ったら「釣れた!」と言うでしょう。
主語は明らかに「私」ですから、省略されています。私が発する言葉=私が認識する世界を表す言葉であることは友人も分かっているので、改めて言葉にする必要が無いからです。
何が釣れたか(「魚」)も状況から明らかなので、省略されます。
こうして、日本語では、状況から明らかな言葉は省略するという暗黙のルールが存在します。
英語は「第三者」視点
他方、英語では世界を客観的に記述します。自分の外側に視点を置くのです。
- 私が発する言葉=第三者目線の客観的な出来事を表す言葉
だから、主語「私」も対象物も省略できません。
先ほどの例では、”I’ve got a fish!” と言うはずです。
日本語に訳すと「私は魚を釣った!」となり、非常に不自然な文です。
客観的に記述するので、主語「私」も述べなければなりません。私の言葉であるというだけでは、「私」はまだ舞台に登場していないからです。
客観的に記述するので、話し手と聞き手の間に存在する主観的状況(釣りをしている・あなたと私)を明らかとして省略することはできません。英語では、全ての事柄を省略せず記述します。
ライティングに役立つ英文構成の知識②:名詞同士を動詞でつなげる感覚
英文を作るときは、「名詞を動詞でつなぐ」という感覚がポイントとなります。
英語は5文型で全ての文が組み立てられますが、文の要素であるSVOCのうち、S,O,Cは名詞(や名詞のような形容詞)です。つまり文の要素のほとんどは名詞。英文の核は名詞なのです。
英文を作るとは、名詞と名詞の間を、動詞や前置詞などで橋渡しすることと捉えることができます。
ライティングに役立つ英文構成の知識③:英語は動的、日本語は静的
英語の5文型のうち、一番よく使われるのはどれだと思いますか?
日本語的な発想では、SVCと答えたくなるはずです。
しかしそうではありません。英文の基本はSVOです。
英語の発想は「動」です。
SVOが一番多く使われるのは、行為や変化を表す動的な表現だからです。
(SはOをVする。例 “I speak Japanese.”)
これに対してSVCの使用頻度は相当に低いです。Sの状態や特徴を表す静的な表現だからです。
(S=C。例 “I am a Japanese.”)
私はこの事実を全く知らず、TOEFLではSVCを乱発していました。この本を読んで、SVCの多い文章は英文の発想としては間違っていることに気づき、軌道修正できました。
本の内容
Eメールの作文・指示書の文例など、具体的な業務を念頭に置いた、速攻で使える実例が載っているのがよいです。
<伝わる英文に必要なツール>
○伝わる英文のポイントは名詞
1 まずは主語を決めよう!
2 名詞の前に置いて意味を限定する修飾語
3.名詞の後に置いて詳しく説明する修飾語
○動詞を決めるポイント
1.SVOが英語の基本型
2.SVCの使いどき
3.これだけは覚えたい動詞
○詳細をシンプルに伝えるテクニック
1.動詞を修飾する前置詞句
2.動詞と形容詞を修飾する副詞
3.つなぎのことば
4.分詞節
<実例で分かる!実務英語>
○読みやすく書くポイント
1.シンプルに、わかりやすく書く
2.パラグラフの構成と展開
3.情報の流れを大切にするためのツール
○Eメール
1.構成要素
2.本文の展開パターン
3.件名の書き方
4.敬辞(敬称と相手の名前)
5.結辞(メールの締めくくり)
6.導入の表現
7.結びの表現
8.「伝わる」英文Eメールの基本表現と例
○マニュアル・指示
○仕様書
○技術文書
まとめ
通読すると、ネイティブの作文の感覚に近づけるような気がします。ライティングに伸び悩んでいる人には役に立つかも知れません。
ライティングを徹底的にマスターしたい方には、「アメリカ人なら小学校で学ぶ 英文ライティング入門」も合わせて勉強しました。アメリカの小学生が勉強する文章構成のやり方を解説する本で、さらっと読めます。こちらはKindle Unlimitedの対象なので、無料登録すると30日間無料で読めます。
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